GALLERY | HITOHA
一葉の日々
白衣を脱いだ一葉。数字のない時間の記録です。
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一枚だけ クッキー缶に、わさび入りを一枚だけ忍ばせた。先生は一枚目で引いた。
一葉(研究員)わさび入りは二十枚に一枚ですよ。一枚目で引きますか、ふつう。
知秋(教授)確率二十分の一は、起きないという意味ではない。
一葉(研究員)……先生、香りで探ってますよね? -
隣の山は見ない 同じ店、同じ席。見てはいけないものは、見ないことにしている。
知秋(教授)君、さっきから皿が進んでいないな。
一葉(研究員)隣の山が気になって。
知秋(教授)見なければよい。標本に入れなければ、存在しないのと同じだ。
一葉(研究員)……先生、それ、お寿司のほうが薬味ですよね? -
ケーキ屋の前で フィナンシェは見当たらない。それでも、ショーケースの前からは動けない。
知秋(教授)君、ケーキ屋の前だと歩く速さが半分になるな。
一葉(研究員)観察対象です。
知秋(教授)観察対象を、毎回箱で持ち帰るのかね。 -
夜食 寮の台所で。湯を注いで三分、その間に帳面を一ページ。 -
休日の朝 眼鏡を外して、マグを両手で。読みかけの帳面は枕元に。